“T”

あたしはTシャツが似合わない。

いろんな体系の理由から、本当似合わないと思う。
顔にも合ってないと思う。

だから何かを下げたかった。
髪とか、楽器とか、アクセサリーとか、そうすればいいと思った。

だけどなんか悔しい。
Tシャツ一枚でさまになってみたい。

あたしは肩のラインが好みで、テレビの中の人に惹かれたりする。
それ程肩は重要だ。
厚くない人がいい。

女性だったら首からのラインがとてもきれいなカーブを描いていて、どんな服も着こなせそうで、人形のような肩。
服を作って着せたくなるね。
男性だったらもっぱら幸薄そうな肩。
なんていうか、なで肩じゃないけどいかってもいない。
これまたやはりキレイなラインが出てる肩。
服を着ると、肩と胸との間にでる皺っていうか空気感ていうか、スカスカした感じ？
言葉にするのは難しいけど、それがカッコいいのだ。

昔、撫肩に憧れた。
中学生の時、規定のカバンが肩からおっこちて苦労してる子が羨ましかった。
あたしの、何をかけても決して物が落ちない広くていかった厚い肩が、憎かった。
わざとカバンを肩の端の方で背負ったりもしたけど、本当落ちませんでした。

けどね、この肩でも、いい事はきっとあるんだろうな。
割り込みされにくかったり？

小さい肩は女の子らしくて羨ましいけど、あたしにはきっと他にいい事がある、はずだ・・・・と、思いたい・・・

細い腕とか、折れそうな手首とか、あたしには無いけど、あたしのこのでっかい手と骨太な腕で、もっと大事なことを守れるのではないか？

それを忘れてはいけない。

人を羨んではいけない。
人と比べてはいけない。
人を憧れるのはいいけど、はまったら自分を見失う。

Tシャツは似合わない。
だけど他に似合うものを沢山見つけられる。
Tシャツでも、似合う形を探せばいい。

あたしは、型にはまるつもりは毛頭ないはずでしょう？

月が隠れてしまって、あたしにパワーが減った気がした。
そう思うと余計に感じるから、よさなくちゃ。

なんだかクラクラする頭も、気のせいと思っていよう。

眠ればいい。

あぁもうそれでいい。

なんでもいい。